相続におけるよくある質問
- 相続を放棄するにはどうすればよろしいですか?
相続放棄するには、相続開始後、自己のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません(民915条、915条1項)。この期間を過ぎると承継とみなされます。ただし、利害関係人又は検察官の請求により家庭裁判所は期間を延長することができます。なお、未成年者や成年後見人の場合、『その法定代理人が知ったとき』が起算点になります(民917条)。
- 生命保険の受取金は相続財産になりますか?
被相続人自身を受取人に指定している場合は相続財産となりますが、相続人を受取人に指定している場合は相続財産となりません。ただし、相続税の対象になることもありますのでご注意下さい。
- 遺産分割にはどのような方法がありますか?
遺産分割の分け方としては以下の方法が考えられます。
1.遺産を現物のまま配分する方法(ex.家屋はA、現金はC)
2.特定の相続人が他の相続人に対して取り分に見合う自己の財産を提供する方法
3.遺産を売却・換価し、その代金から必要経費等を差し引いた残りを相続分に応じて分配する方法
4.個々の遺産を共同相続人の共有とする方法
また、遺産分割は、以下の順序に従い決定します。
1.遺言
2.協議
3.調停
4.裁判
- 遺産分割調停のメリットを教えてください。
遺産分割調停は、原則として当事者が顔を合わさずに話し合いを進 めることができます。遺産分割調停は、申立人控室、相手方控室で各自待機し、それぞれ交互に調停室に呼ばれ、調停委員が話を聞くといった形で手続は進みま す。相手の顔色を見ながら説明することはなく、自由に自分の意見を主張することができるのです。
成年後見制度におけるよくある質問
- 成年後見制度とはどのような制度ですか?
成年後見制度は、家庭裁判所が関与して、認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人の権利を守り、保護するための制度です。これにより自分一人では困難な不動産や預貯金等の財産の管理や各種契約が安全に行えるようになります。
- 成年後見を行わない場合には、どのような不利益がありますか?
本人に判断能力が全くない場合には、例えば、預金の解約、福祉サービス契約の締結、遺産分割協議、不動産の売買等をすることができません。また、判断能力が不十分な場合に、これを本人だけで行うと、本人にとって不利益な結果となるおそれがあります。
- それでは任意後見とはなんですか?
任意後見制度は本人がまだ判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分になった時のことを考えて、あらかじめ代理人(任意後見人)を選び、自分の療養看 護や財産管理について代理権を与える契約を結びます。この際、必ず公正証書を作成します。このように、将来自分の判断能力が衰えた時に自分の希望している 方を後見人として指定できることは大切なことだと思います。そして、本人の判断能力が不十分になったときには、家庭裁判所は後見開始を決め、任意後見人 は、家庭裁判所が選んだ任意後見監督人のチェックのもと、本人に代わって財産を管理したり契約を締結したりして本人を支援します。
賃貸借トラブルにおけるよくある質問
- 費用がない場合、訴訟をすることはできないのでしょうか?
裁判を起こしたい場合や、訴訟を起こされた場合に応ずる場合で、専門家による裁判の援助や書類の作成が必要なのに、専門家に依頼できるほどの経済的余裕が ない場合でも、一定の要件を満たせば、専門家に依頼するための費用を立て替えて、弁護士や司法書士を紹介する制度があります。詳しくはお尋ねください。
- 料金がどのくらいかかるのか不安です。
当事務所では、先にお見積りをさせていただいております。お客様がお見積りの料金で納得いただけましたら契約成立となりますので、ご安心ください。
- 内容証明郵便でも解決できません。どうしたらよいでしょうか?
かたくなに相手が支払わない場合、督促手続を利用しましょう。督促手続は裁判所からの通知なので心理的プレッシャーが強く、また、裁判よりも手続が簡便なのでご利用しやすくなっています。督促手続が確定すると、裁判で勝訴判決を受けることなく強制執行の手続に着手することができます。裁判の手間が省ける分、手続が容易になります。
不動産登記に関するよくある質問
- 不動産を購入した際に何故、登記が必要になるのですか?
売買契約により不動産は買主の所有となります。しかし、売主以外の第3者は、その不動産が誰のものなのかがわかりません。そこで、誰からでもわかるように 「登記簿」に所有者の名前を記載し、一般に公開しているのです。逆に登記簿に所有者として名前を記載しているからこそ、誰に対しても自分が所有者であるこ とを主張できるのです。
- 不動産を購入する際に必要となる登記費用の内訳を教えて下さい。
-
- 1 登録免許税
- 土地の場合、固定資産税評価額の1%が必要となります。建物の場合、新築は各都道府県の基準の0.4%、中古は固定資産税評価額の2%が必要となります。
- 2 登記簿謄本代
- どのような登記を行うかを調査するために1通、登記後確認用に1通の計2通必要となります。不動産1個につき1通1,000円になります。
- 3 住宅用家屋証明書
- 市役所で発行する「住宅用家屋証明書」を添付すれば、建物の登録免許税が減税されます。ただし、この住宅用家屋証明書を取得するには、住民票を購入する不 動産の住所地に移転する必要があります。また、建築年数に制限がありますのでご注意下さい。、1通1,300円になります。
- 4 司法書士の報酬
- ご自身で行う場合は当然不要です。具体的な額は事務所により千差万別ですので、各ホームページ等でご確認ください。
商業登記に関するよくある質問
- なぜ商業登記・法人登記が必要なのですか?
会社の登記(商業登記)は、どうのような会社なのかを一般に公表する制度です。そして、法律は、この商業登記を義務づけることで、取引の安全をはかっています。そのため、会社を運営していると、必ず商業登記を行わなければならない場面に直面することになります。登記を怠ったまま放置すると、法務局より過料を科せられ数万円を支払わなければなりません。従って、会社の運営において、最低限、登記だけは怠らないよう注意しなければなりません。
- 株式会社にはどんな特徴がありますか?
株式会社には以下のような特徴があります。
- 1 株 式
- 株式会社では、資金調達の単位を細分化して、出資者を募ります。少ない資金での参加を可能にすることで、多数の人の出資を集めるためです。 出資した人には、株式という地位を与えられます。この地位は、出資した人がどんな人かは関係なく、株式の種類・数で決まります。統一的地位にすることで、多数の人と会社との法律関係を明確にし、安心して株主として出資するようにするためです。
- 2 株主の間接有限責任
- 株主は、会社に対して、出資することとなった株式の価額を支払う責任を負うだけで、他に何ら責任を負うことはありません(有限責任)。会社の債権者に対して何ら責任を負いません(間接責任)。多数の者が安心して会社に資本参加できるようにするためです。
- 3 資本の原則
- 株主は間接有限責任しか負わないため、会社の債権者が、債権を回収するためには、会社の財産だけしか期待することができません。そこで、会社法は、日々変動する会社財産に対して一定の基準を設け、確保するよう規整しています。この基準となる金額が『資本金』です。
- 4 所有と経営の分離
- 本来、会社の経営は、会社の所有者が行うものですが、株式会社の場合、共同所有者である株主は多数にのぼるため、事実上共同経営は不可能です。
また、株主 は間接有限責任しか負わないため、一般的に会社経営ではなく、配当金や株式の売買などの投資の成果に興味があります。
そこで、株式会社では、経営は専門家 である取締役に委ねられています。株主は、取締役が不適切な経営をして損失を出さないよう監視し、必要に応じて意見する権利を持つだけです。
- 商業登記に必要な登記費用の内訳について教えて下さい。
-
- 1 登録免許税
- 登記の内容によって異なります。おおまかに言えば、資本が増加する変更については資本金の0.7%(最低3万円)、資本金1億円以下の役員変更は1万円、それ以外は3万円といったところです。変更内容によっては数種類の変更をしても一律3万円となる場合もあります。
- 2 登記簿謄本代
- どのような登記を行うかを調査するために1通、登記後確認用に1通の計2通必要となります。不動産1個につき1通1,000円になります。
- 3 司法書士の報酬
- ご自身で行う場合は当然不要です。具体的な額は事務所により千差万別ですので、各ホームページ等でご確認ください。ただし、大抵の場合、1・2を抜きにした3のみの価格を掲載しているところが多いようなので、ご注意下さい。
※注: 行政書士は登記申請を代理することはできません。
商業登記の登録免許税は登記の変更内容によって異なりますが、変更内容によっては数種類の変更をしても一律3万円となる場合もあります。従って、まとめて登記を行うと費用が安くなる場合があります。
債務整理に関するよくある質問
- 自己破産するにはどこの裁判所へ申し立てればいいのですか?
原則として,債務者(申立人)の住所地を管轄する地方裁判所(又はその支部)になります。
住民票上の住所と現住所が異なる場合には、現住所を管轄する地方裁判所(又はその支部)になります。
既に、自己破産の申立てをしている方と
1.連帯債務者
2.保証人
3.夫婦
となっている場合には、同じ裁判所に破産手続開始・免責許可の申立てをすることができます。- 任意整理をすると本当に借金が減るのですか?
任意整理をすると利息制限法に引き直して債務額を確定しますので、サラ金など高金利の業者で、3年以上取引していれば、通常は2~3割の債務が減ることが 多いです。サラ金業者との取引期間が長ければ長いほど借金は減る傾向にあり、一般的には7年以上取引があると借金が0になる可能性があります。場合によっ ては過払金が発生していることもあり、任意整理をした結果、サラ金業者からお金を取り戻すことができる場合もあります。
- 自己破産をすると、今住んでいるアパートを出なくてはいけないのでしょうか?
破産をしたからといって、アパートを追い出されてしまうことはまずありませんが、既に家賃が何ヶ月も滞納していたりすれば明け渡しを求められることはありますので、注意は必要です。